ルリボシカミキリ

誰にでもあることかもしれないが、「そんなに珍しい虫でもないのになかなか見つけられない」というのが自分の場合多すぎる気がする。 探し方がヘボいせいだが、そんな虫にかぎって自宅の目と鼻の先で見つかったりするからあまりにもお粗末である。
幸せの青い鳥の話のようだが自分のヘボさを思い知らされるばかりだ。

ルリボシカミキリもその一つで長年に渡り(現在でも)憧れのカミキリだ。 昆虫図鑑の表紙を飾ったりすることも多く、この虫が載っていない図鑑など存在しないと思えるほどである。
この虫を一目見ようと奈良県との県境の護摩壇山まで何度足を運んだことだろう。 なにも護摩壇でなくとも他でも見つけられるのだろうがスカイラインの休憩所に「護摩壇で見られる昆虫」ととして看板に載っていたためで、 要するに他に産地の目星がつけられなかったからだ。
結局ここでは見つけることはできなかったが、ここでも勉強不足とヘボさが全面に表れている。

ところが3年前の6月頃、仕事帰りにクワガタ採集を、とクヌギのポイントに立ち寄ったときのこと。
クヌギのすぐ隣にあった木に白い花が満開でその中に青いカミキリが・・・これこそルリボシ、見れば見るほど美しいカミキリだ。
ああしかしこんな時に限ってカメラをもっていない、しかたなく採ってから撮ることにしてとりあえずお持ち帰り。。

それにしても不思議なことにこのポイントは振り向けば海が見える、標高で言えば50b位の場所なのに。
低い所から高い所へ風に吹き上げられるなら分かるがその逆というのはどうなんだろう、チョウや蛾等が台風の風に運ばれて遠く海外からやってくるというのは聞いたことがあるが甲虫の場合はどうなんだ・・。
なんだか釈然としないがそんなことより憧れのルリボシを見つけたことには違いない。 どんな理由があるにせよここにいたのだ。

図鑑で見るより少し華奢な感じがして思っていたより小さい気がしたが頭の中は半分パニックのような感動と興奮。 この歳になって恥ずかしいと思う位でこの日はクワガタどころではなかった。

で、翌日。 また仕事帰りにその場所に寄ってみると同じ所に同じ青いカミキリが。
しかも前日のよりずっと大きい、さては昨日のが♂でこれが♀なのか。
同じポイントでペアが採れたということはここで発生している可能性も否定できないかも・・。
紀伊半島では山地性の昆虫が低地や海岸近くにもいるという話を聞いたことがあるがここまでのこともないとは思うのだが。
とりあえず♂、♀ともその場所で逃がしおいたが、それ以来ルリボシを見つけられずにいる。

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