2006年 5月のブナ林
06.06.22 (日) 原生林へ |
今年ももう五月、なんとなく雨が多い今日この頃だが季節と仕事はまっててくれない。 だから晴れた休日は(どこかへいきたい病)の治療に専念することにしよう。 という訳で久しぶりに標高の高いへ。 以前キノコマニアの俊さんに連れて行ってもらったブナの森を目指すことにする。 俊さん曰く、ここは和歌山では数すくないブナの原生林とのこと。 まあ和歌山ではブナがあればほぼ原生林なんだけど、最近になってあわてふためいたようにブナの植林がされている場所もある。 スギやヒノキのために犠牲になったブナ林が再生できるとは 思えないが、、、 前回訪れた時から3年たつが地図と記憶を頼りにマイマシンを走らせる。 途中ガケ崩れに遭遇、道が完全にふさがっている。 ここまで2時間半かけて走ってきたのに、、、とほほ。 しかしよく見ると何台かが乗り越えた跡がある。 本日のマイマシン、2シーターFRミッドシップ。 ひらたく言えば軽トラック タイヤがスリックになってしまっているのが心配だが、、、ええい行ってしまえ。 よっ、、はっ、、おっとと、、なんとかかんとか通過 そんなこんなで到着。 ところが、、、 前回入ったブナ林への入り口が見つからない 車でうろうろ移動するも結局わからず、思い切って標高を下げる。 すると通行止めの道が気になり少し進入を試みる。 ここだ、ここだ、落石を避けながらダートをおそるおそる進む。 そんなこんなで今度こそ本当に到着。 結局4時間かかってしまった。 |
散策開始
車を降りて歩くこと30分、目指す森に入る。
ここの森はいいなあ、、他県のブナ林を見たこともないくせに何となく思ってしまう。
幹周り5b程のブナの倒木がそこかしこにおりかさなっている。
苔蒸した中に新たな芽吹きが、、、。
遠くでキツツキ類のドラミングが聞こえる。
やつらも虫を探して倒木をつつくらしく穴だらけになってる倒木もある。
この森ではやつらだけに朽木採集が許されているような気がした。
もともと材割をしない自分だがなんとなく手を出してはいけないような雰囲気が漂っている。
何の芽かは不明ですが。
しかし、ブナの森はダメージを受けると回復が難しいらしい、事実、植林により削られたブナ林の残った部分が衰退し始め、自治体は慌ててブナの植林をするようになったらしい。
この森もいずれ消えてしまう運命なのかも知れない。
そんなことを考えながらしばしたたずむ、と何か動くものが、、、
黒マメ、、のようなシカのふん。でもなんで?
犯人はこいつ
ルリセンチコガネがフンを引きずりながら後ずさりしていた。
はじめてみる光景、近所の山にもいる虫だがイノシシのフンの下で群れているのしか見た事がなかった。
そっとカメラを構えると落ち葉の下に潜り込んだ。木の枝でほじくると5個もためこんでいた。
何でしょう?
続いて倒木に目をやると、、、
いろんな虫がいる。見たことあるようなのも、そうでないのも。
下界で見る虫と同じようでも標高差を考えると微妙に違うんだろうな。
その中で少し大きい甲虫が。
アトコブゴミムシダマシ
図鑑なんかでは見たことあったけど実物は初めて。
本当に変な格好。
倒木のあるところはぽっかりと空間ができて日が射しているが最近の雨続きのせいかいろんなキノコが。
でも食べれそうなのにはキノコ虫がびっしりついていた。やっぱり虫にもわかるのかな?
あと、猿どころか人間でも座れそうなコフキサルノコシカケ。
キノコの知識がないので手を出さないことにしているが、前回はキノコマニアが一緒だったのでブナシメジなんかをたくさん採ってたべた。
美味であった。
しかし一人の時、舞茸の株(推定10`、しかも2株)を写真だけでスルーしてしまった事があり
後々なにかにつけて悔やんでいる。
それにしてもベニコメツキが多い
ちょうど発生ピークにあったたのだろうか?
あとやたらに多いのがこいつ。赤くてよく目立つ。
結構でかい。
ダニだかクモだか、、とにかくあまりお近づきになりたくない。
何を食べているのかは気になるところだが、こいつの食事しているところは想像もしたくないな、、、
植物も一味違うのが。
それ程珍しくはないのだろうが、寄生植物だか腐生植物と言うんだったかな。
ススキにつくナンバンギセルに似たのがブナの根元にたくさん生えていた。
ギンリョウソウ
ところで5月のブナ林といえばコルリ採集なのだろうが前回も今回も産卵マークを見つけられなかった。
いないはずはないと思うんだが、、大台ヶ原ではいくらでもみられたのに。
まあコルリがいたとしてもブナの新芽などはるか頭上だし、捕虫網も持ってないんじゃあね、、
(ここのタイトルがなぎさの虫取り網なのに?)
林内を彷徨うこと3時間
くる時に時間がかかりすぎたので早くもタイムリミット。
明るいうちに人里まで降りたいからなー、帰りもあのガケ崩れも通らなければならないし。
車の所へ下っていく途中でヘビ発見。
約30aの小物だが、色とか模様とかがね、、、
なんかヤバそう。
棒でつつくと噛み付いてくるし。
さわらぬ神になんとやら、、だがついついつついてしまう。
車に到着、と路肩を見るとススキの枯れ穂の先に何かが。
ケシキスイの仲間かと思いながらズーム。
あれれ、あなたはまさか、、、。
マダラクワガタ
朽木採集をされる方々には珍しくもないだろうが自分にはこれだけでここまで来た甲斐のある出会いだ。
今回は特に「何々を探して、、」という目的もなかったのでそれなりに満足できる遠征となった。
でも心のどこかに見つけたかった虫がいくつかあり、そのちょっとした寂しさがまたここへ来ようと思わせるのだった。